台湾の書店で本を選ぶ
旅が好きで、20代の頃からヨーロッパや北欧などを中心に一人旅をしてきました。
ひとつの国に興味を持つとくり返し通いたくなって、ここ10年ほどはとにかく台湾をはじめとしたアジアの国々に夢中です。
気候や文化が重なりつつも、それぞれに特色があるところに惹かれています。
なかでも台湾は、訪れるほどにますます恋しくなる。
私の生活には台湾のものが欠かせなくて、そのためいつも食材から日用品までありとあらゆるものを持ち帰っています。
航空券を取るときは、日程の次にどれだけ荷物を預けられるかが判断基準になるくらい。スーツケースを二個持っていくこともしょっちゅうです。
この連載では、約10年かけて厳選した、定番の台湾土産をご紹介します。
6回目は、台湾の書店で選んだ本について。
本がすき。本のある空間がすき。
書店、図書館、ブックカフェ。
旅先でも必ず探して、何か所も巡っています。
それを目当てに小さな町まで足を延ばすこともあるくらい。一日中だっていたくなります。
台湾の書店は、若い女の子が床に座って本を読んでいたりするのもいい。
外なのに家っぽさもあって、居心地がいいからついつい長居してしまいます。
台湾では日本で出版された書籍も多数翻訳されており、デザインの違いを観察するのも楽しい。
紙質や印刷の違いだけでなく、レイアウトも丸ごと変えられているものもあって、
こんな見せ方もあるのね! と驚くこともしばしばです。
台湾の書店では、旅や美味しい店、料理や食文化、暮らし、雑誌のコーナーを必ず見ます。
言葉がわからないので、写真が豊富でデザインなどビジュアル的に惹かれるものを手に取っています。
漢字だからなんとなく伝わってきますし、お店の情報などは読めるから大丈夫。
だから、ガイド本のように写真と情報が多めの本が読みやすいです。
旅と美味しいお店の本は、ローカルの人が台湾のどんなところが好きなのか、
そのセレクトが知りたくて。
日本の雑誌やガイドブックで紹介されている内容との違いを楽しみながら読んでいます。
料理や食文化の本は、感覚が近いなと思える著者を探したい。
喫茶店や昔懐かしいかき氷店についての著作があるハリー・チェンさんは、
元々本を読んでいてひょんなことから仲良くなりました。
台湾版のみならず、日本語訳の本もあります。
台湾南部の食や文化を丁寧に追っている透南風編集部(台南でショップも運営しています)の本も、写真やイラストが多くて面白く読めます。
ハリーさんの本も透南風編集部の本も、綿密な取材をもとに書かれていて、
ものすごく密度が濃い。
本の書き手としても尊敬しています。
そのほか伝統的なお菓子を紹介している本や、老舗ばかり集めている本など、
テーマ性のある本が読みやすい。
また、カルチャーに強い書店に置いてあるzineやキュートなイラストの絵本なども、
お土産にもぴったりです。
旅の際に、滞在日数が短くて書店に行けないときや、確実に手に入れたいものがあるときは、
台湾のアマゾンともいわれている通販サイト「博客来」で本を注文して、
ホテルの最寄りのセブンイレブンで受け取っています。
ちなみに、「博客来」は日本からも通販可。
今も雑誌や食べものを注文していて、届くのをワクワク待っているところです。