「美味しい」をつくる調味料
旅が好きで、20代の頃からヨーロッパや北欧などを中心に一人旅をしてきました。
ひとつの国に興味を持つとくり返し通いたくなって、ここ10年ほどはとにかく台湾をはじめとしたアジアの国々に夢中です。
気候や文化が重なりつつも、それぞれに特色があるところに惹かれています。
なかでも台湾は、訪れるほどにますます恋しくなる。
私の生活には台湾のものが欠かせなくて、そのためいつも食材から日用品までありとあらゆるものを持ち帰っています。
航空券を取るときは、日程の次にどれだけ荷物を預けられるかが判断基準になるくらい。スーツケースを二個持っていくこともしょっちゅうです。
この連載では、約10年かけて厳選した、定番の台湾土産をご紹介します。
初回は調味料。
台湾料理だけでなく、和食などにも幅広く使えるものばかりです。
まずは、炒め物に欠かせない、胡麻油。
台北市内・雙連駅近くに100年以上前から店を構える老舗の「信成油廠」では、純度の高い胡麻油「芝蔴香油」が手に入ります。
香りの良さと深い味わいは他にはなく、わが家ではもう長いこと、胡麻油はこちらを使っています。
炒め物をはじめ、餃子の仕上げやスープ、ドレッシングなどにも幅広く使えます。
調味料ひとつで料理の腕が上がったように思えます。
もうひとつはお酢。
1949年に創立された「恒泰豊行」は政府の御用達で、蒋介石などがこちらの「高級香醋」を愛用していたことでよく知られています。
忘れがたい、上品な酸味。料理研究家の方々にもファンが多い逸品です。
台北市内に路面店がありますが、神農市場(MAJI)やPEKOE、誠品書店など、各セレクトショップでも取り扱いがあるので、
旅の際はそのようなお店で他のものとまとめて購入するのが良いでしょう。
ここからは、台湾のスーパーマーケットで手に入る調味料をご紹介します。
この水餃子のタレは、台北で料理教室をやっている方に教えていただいたもの。
防腐剤不使用で、安心して口にすることができます。
辛味がきいていて、胡麻油の香りもよく、モチモチした水餃子にぴったり。
もちろん水餃子だけでなく、焼き餃子や冷ややっこなど、幅広く使えます。
こちらは現在、日本でも入手可能になったようなので、ぜひ試してみてくださいね。
最後に、台湾の夜市でおなじみ、鹽酥雞(イエンスージー)のスパイスです。
鹽酥雞は野菜や鶏肉などの食材をお好みで選んでその場で揚げてもらい、スパイスで味つけしていただく軽食です。
私は台湾の友達の家でごちそうになって、後を引く美味しさにすっかり虜になりました。
揚げ衣にタピオカ粉を使用しており、さくさくの食感ですが、市販の唐揚げに一振りするだけでも、台湾気分を味わえます。
ちなみに人工色素や人工香料、防腐剤不添加は無添加。
そして同じく夜市グルメとして人気のあの平たくて大きい唐揚げ(ジーパイ)も、この調味料があれば再現できます。
台湾へ行ったら、「美味しい」お土産をお忘れなく!