YonYon × 9m88 アーティスト紹介
Our Favorite City、スペシャル対談の第4弾アーティストであるYonYonと9m88。
動画公開に合わせて、それぞれのプロフィールを簡単にご紹介します。
YonYon
活動の領域を限定しない、マルチクリエイターと言われる存在が日本においても徐々に増えてきている感はあるが、
案外DJ兼シンガーソングライターというのはお目にかかることが少ない。
理由はあくまで個人的見解に過ぎないが、
DJとミュージシャンというのは近いように感じるが対極に位置する、と思っている。
ミュージシャンというのはエゴを出してなんぼで、DJは場の雰囲気を読んでなんぼで、
その両方で一定の評価を得ている人というのは相当器用なんじゃないかと。
今回紹介するYonYonが正にそれだ。
自分が最初に彼女の存在を認識したのは、YouTubeに上がっていた2018年の森、道、市場 2018のDJセット。
たった6分程度のダイジェストだったのだが、クラブDJらしからぬガーリィーな装いとピースフルな空間作りであっという間に心を奪われてしまった。
YonYon - DJ @ 森、道、市場 2018
会場の雰囲気の良さももちろん手伝っている部分はあるとして、彼女が紡ぐ選曲やスタイルには、良い意味で主張がない。
乱暴な言い方をすると、BGMと言っても差し支えないぐらい、会場の雰囲気に自然に馴染んでいるのが印象的だった。(ってその場にいたワケではないが...)
YonYon DJ SET (La Magnifique Society 2019 FR)
彼女のサイトのプロフィールにもあるように、
日・韓のみならずアジア、アメリカ、ヨーロッパの様々な都市のクラブや大型フェスなどに出演しており、
彼女のDJの評価はワールドスタンダードと言っていいだろう。
そしてもう一つの顔、シンガーソングライター、パフォーマーとしての側面も引けを取らないのは、これまでコラボレーションしてきたアーティストの顔ぶれから伺い知ることができる。
KIRINJI - killer tune kills me feat. YonYon
YonYon, SIRUP - Mirror (選択) MV
彼女が韓国生まれで幼少時代に日本と韓国を行ったり来たりしていることで、
日本語、英語、韓国語の3ヶ国語をマスターし、コレを武器に時にラップ、時に歌うなど、表現の幅に際限がない。
そして、根無草的な境遇が要因で経験した、いじめや差別によって、
若くして「ミュージシャンは音楽のことだけ考えていれば良いわけではない」という意識を持つに至っている。
YonYon - Period(過程) [YouTube Music Sessions]
そんな思いからいつしかプロデューサーとシンガーを繋ぎ、BRIDGEのディレクターとしてアーティストのブッキング、イベントの企画、制作なども手がけるようになる。
2021年4月4日には恵比寿のTime Out Cafe & Diner , KATA [LIQUIDROOM 2F]にて『よんよんの日』と題したイベントを開催。
ここではDJと歌唱のパフォーマンスだけでなく、自身主宰の音楽レーベル〈Peace Tree〉のショーケース的な意味合いも含み、
若い才能を次々にステージに上げて、観る者を飽きさせない演出でコロナ禍というアゲインストの中、大盛況に終わった。
[LIVE] YonYon - Capsule feat. Daigo Sakuragi (D.A.N.) (4/4 よんよんの日 at KATA)
現在は拠点を福岡に置きつつ、東京での活動も継続している。
きっとアーティストの新しい在り方の手本として新世代のオピニオンリーダーとなる日もそう遠くないだろう。
9m88(ジョウエムバーバー)
2016年にリリースしたLeo王とのコラボ作『陪妳過假日 feat. 9m88』をきっかけにブレイク。
【顏社】Leo王 - 陪妳過假日 feat. 9m88 (Official Music Video)
2018年にはELLE Taiwan Elle Style Awardsで、”The Most Stylish Future Star”を受賞。
(ちなみに台湾でELLEの発信する音楽系の情報の影響力は大きいのだそう)
2020年には台湾最高峰の音楽賞「ゴールデン・メロディー・アワード」(金曲奨)で新人賞にノミネートされるなど、
もはや台湾の音楽リスナーで知らない人はいない存在となった。
9m88 - Aim High (Official Music Video)
活動自体が2016年からのスタートにもかかわらず、一気にスターダムにのし上がった背景に、
当然パフォーマンスや楽曲のクオリティーといったアーティストとしてのポテンシャルは欠かせないが、ここで注目したいのは彼女のセルフプロデュースのセンスだ。
いわゆるメジャーレーベルに所属しているワケではなく、
現在ではマネジメントこそ会社の所属だが、基本的な活動方針などは9m88本人がすべて決めているという点。
彼女が学生時代をNYで過ごし、そこでファッションを学び、アパレルの会社で働いたことが大きく作用しているのではないだろうか。
ほとんどの人がそうであるように彼女も海外での経験によって自国とは?そしてその自国にいる自分自身とは?について俯瞰で見ることが出来たからこそ、
どういう活動が成功への道のりなのかが見えていたのかもしれない。
現に、空前のカバーブームとなった、
竹内まりや「Plastic Love」もかなり早い段階で取り組んでおり、
アレンジの人選を含めて「わかっている感」の演出は数多あるカバー作品の中でも秀逸である。
9m88- ‘Plastic Love’ Cover Version (Original Song by Mariya Takeuchi)
そして、そのカバーで付いたリスナーをまるでキープするかのように、
シティポップ感あるオリジナルを後に発表しているちゃっかりさにもニヤけてしまう。
9m88 - 愛情雨 Love Rain (Official MV)
現在は音楽活動も続けながらテレビドラマで女優としても活躍しており、
YonYonとはまた違う形でのマルチクリエーターとして絶大な人気を誇っている。
9m88 - Tell Me (Prod. by Mitsu the Beats)
今回のSAYULOGではこの2名によるオンライン対談をお届けする。
韓国で生まれ、日本で音楽活動を続けるYonYon、
NYで学生時代を過ごし、日本の文化にも傾倒している9m88。
生まれ育った境遇こそ違えど、お互い、客観視できるポジションで自国を見てきたという共通点を持つ彼女たちによるトークを楽しんでもらいたい。