社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS)×Leo王 日台スペシャル対談 【前編】
日本と台湾のアーティスト交流企画も今回で第3回を迎えました。
今回は“日本で最もコラボレーションを望まれるバンド” 、SOIL&"PIMP"SESSIONSから社長(Agitator)を、
台湾からは、日本でもデビューを果たしている新世代のラッパー/シンガーのLeo王(リオ・ワン)の二人をお招きしてお届けします。
SOIL&"PIMP"SESSIONSは説明不要の爆音ジャズでシーンを牽引、
一方のLeo王は生演奏にこだわったライヴでバックにジャズ・ミュージシャンを従えるなど、
ジャズを基点に熱いトークを期待したいところです。
取材・文 / 行 達也
── Leo王さんのことはご存知でしたか?
社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS) はい、存じ上げておりました!
── 初めて聴いた時の印象を聞かせてください。
社長 最初に彼の名前を見たのは去年だったかなあ?
日本でシンクロニシティというイベントがあって、それにLeo王さんがブッキングされてたんです。
コロナで実現しなかったんですけど...
Leo王 そうですねぇ...記憶が定かではないのですが(笑)
コロナのせいで、全然日本でライヴができなくて残念です...
思い出しました!!そのイベントで、本当だったらJABBERLOOPさんとコラボする予定だったんですよ。
── イベントは行われなかったのに、音源は聴いていたんですか?
社長 僕は自分でもフェスをオーガナイズしているんですけど、
そのシンクロニシティというフェスは新しい才能を見つけてくるセンスが本当に素晴らしくて。
ラインナップが発表になったら、いつもチェックして、知らない名前があったら全部聴くようにしてるんです。
で、その中にLeo王さんの名前もあって、そこで初めて聴きました。
Leo王 ありがとうございます!
── なるほど、じゃあライヴは観れなかったけど音源は聴いたワケですね。印象はいかがでしたか?
社長 そのときのことはハッキリ覚えていて、お気を悪くなさらないで欲しいんですが(笑)
声がデカい!っていうのが最初の印象でした。
Leo王 (笑)
社長 その時に思ったのがバックトラックに対して声のミックスがデカいな、だったんですが、
バックトラックがとてもユニークで、おそらくご自身のスタイルを持ってらっしゃるんだろうなと。
最初にYouTubeで音を聴くまでは日本人だと思って聴き始めて、あ、台湾の方なんだなっていうのもそこで初めて知って。
普通のヒップホップやラップじゃなくて、個性があるトラックが印象的でした。
Leo王 個性的と言っていただいて嬉しいです。
というのも自分が最初に音楽を始めたのはロックバンドで、そのボーカルを務めていたんです。
ヒップホップに触れたのは、その後で、最近だとジャズの要素を取り入れたりしています。
最近の僕の音楽の傾向を知ってもらう上で、Megaport Festival のライヴ映像がYouTubeに上がっているのでぜひ観て欲しいです。
社長 おおっ、それはぜひチェックしますね!
Leo王 - Live at Megaport Festival 2021 大港開唱 Provided by Megaport
── Leo王さんが元々ロックバンドのボーカルだったのに、ヒップホップやジャズに音楽の幅を広げていったのは何かきっかけがあったのですか?
Leo王 それはおそらく自分の好みが常に変わっていくからだと思います。
その時々で聴く音楽が違うので、その影響が作品に如実に反映されているのかな、と思います。
最近ずっと聴いているのはジャズや管楽器の音楽なんですが、ずっと一貫してこだわっているのは生演奏です。
ライヴサウンドはその時々で変化するのが魅力だと思います。
── なるほど、世の中のムーブメントでの影響というより、ご自身がいろんな方向に興味が行くということですね。
Leo王 台湾で一番メジャーな音楽シーンはマンダリン(中国語)のバラードですが、
自分自身はサブカルチャーの範疇でインディーズと言われる音楽をやっていて、
自分の音楽の成り立ちは洋楽をたくさん聴いてたことによると思っています。アメリカの音楽とかたくさん聴いてました。
あと、バンドのドラマーの高飛がレゲエを教えてくれたのですが、
台湾にはレゲエのバンドがあまりいないので海外のをよく聴いています。
日本だとフィッシュマンズを好んで聴いています。
Fishmans - ナイトクルージング (Nightcruising)
── ドラマーの方はブラジルの人なんですね。
Leo王 はい、他のメンバーは全員、台湾人です。
サックスとキーボードはジャズ・ミュージシャンです。
── Leo王さんにとってジャズって特別な音楽ですか?
Leo王 自分にとってジャズの魅力は何度、演奏しても同じ演奏にはならないところです。
他のジャンルだと、例えば100回演奏したら飽きてしまうところが、
ジャズの場合だと常に新しい発見があって飽きないんです。
ジャムセッションならではの味わいだと思います。
── なるほど、そんなジャズが好きなLeo王さんにとって、SOIL & “PIMP” SESSIONSのサウンドの魅力とは何でしょうか?
Leo王 YouTubeでSOIL & “PIMP” SESSIONSのMVをたくさん観てきたのですが、
"Summer Goddess"という曲が一番好きです。
SOIL & "PIMP" SESSIONS - "Summer Goddess"
Leo王 SOIL & “PIMP” SESSIONSはホーンの音色の暖かさがすごく魅力的だと思います。
その中で社長さんはMC的な立ち位置でショーマンシップにあふれていて、
その場の空気を高揚させるとても重要な役割だなと感じました。
衣装も独特でカッコいいと思います!
社長 ありがとうございます。謝謝!(笑顔)
Leo王 (笑)
実は最初にSOIL & “PIMP” SESSIONSのMVで観たのが"Suffocation"だったので
社長さんは穏やかなイメージだったんです。
社長 (爆笑)
SOIL & "PIMP" SESSIONS - "Suffocation"
Leo王 特にライヴで何かを演奏するワケではないけど、
最初に出てきてメンバーを紹介したり、オーディエンスを煽ったり、
社長さんの存在はSOIL & "PIMP" SESSIONS にとって欠かせないものだなと思いました。
バンドにとって精神的な支柱かなと。
社長 ちゃんと観てくださってて嬉しいですね。ありがとうございます。
Leo王 Summer!!!Goddess!!!!
社長 (爆笑)
前編はここまでです。
テキストだと伝わりにくいのですが、Leo王が少年のようにキラキラした目で嬉しそうに語りかけてくる画と、
その姿をお父さんのように(失礼)優しい眼差しで、見つめる社長の笑顔がとても印象的でした。
後編では、Leo王がさらにSOIL & "PIMP" SESSIONSの魅力に迫ります!
次回もお楽しみに!
YouTubeチャンネル「SAYULOG」では、2組のスペシャルトークを動画でお届け!
ぜひチェックしてください!
SOIL&"PIMP"SESSIONSのAgitator。
↓以下、バンドの紹介↓
2001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンが集まり結成。
ライブを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気をただよわせながらも、ラフでエンターテイメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。
Bitfanにてファンコミュニティーサイト「デスジャズ研究会」を開設、日々会員向けの限定コンテンツも更新中。
■ Leo王
台湾の新生代を象徴するラッパー、シンガー。
メロディックなラップに加え、独特な雰囲気のあるライブは激しくて魅力的。
元々インディーズロックバンドのボーカルだったこともあり、非典型的なラッパー。
2019年、台湾グラミー賞と呼ばれる金曲奬では、2ndソロアルバムでラッパーとしては史上初の「最優秀男性歌手」を受賞した。
行 達也
株式会社SKIYAKI、 Our Favorite City 編集スタッフ
台湾インディーズは初心者ですが、夜市には行ったことあります。もっと食べたいです。